こちらは棚板です。
柱が集成材の板をサンドイッチしているように見えます。
でも柱は切り離されていません。
どうなっているのか別の場所で同じような作業をしていた棟梁の仕事をうっとおしがられながら撮影してきました。
まず板の厚み分の溝を柱にほんの少し彫っていきます。
少しでも溝の厚みが広いとものすごく空いたようになるので慎重に。
溝が彫れたら縦に半分にひき割った集成材を片方だけ入れます。
もう片方も慎重に入れていきます。
すき間なく入りました。
かたいのを無理やり入れると板や柱に傷が付いたりするので、かたすぎずゆるすぎず微妙な調整が熟練の技です。縦にひき割っているのに継ぎ目も全然わかりません。
このようにきれいにくっついてすき間がない様を岡山弁では、
「よおついとる」(よくくっついていて素晴らしい)と言います
このような角の部分のことを『留』(とめ)と言います。
棟梁に、「とめもよおついとりますね」(留の部分も吸い付くようにくっついていて素晴らしいですね)
と言うと、言葉ではなくドヤ顔で応じてくれました。
いい仕事を見るのは自分もうれしいですし、棟梁も自分で納得の仕事ができればうれしいのだと思います。
普段あまり気に留めることのない部分かもしれませんがまた機会があればご自宅などで「よおついとる」か見てみてください。
なお、『留』は木の乾燥などにより時間がたつとすき間ができることがありますのでご理解ください…。