大きな和室は要らないけれど、ゴロッと横になれる畳スペースがあると落ち着く!
洋風の家だけどやっぱり和室は欲しい!という方は少なくありません。
そこでおすすめなのが小上がりの和室。
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小上がりとは飲食店などでよく見られるもので、椅子席のあるフロアよりも一段高い場所に設けられた座敷のこと。
一般住宅の場合には、リビングなどのフローリングの床よりも一段高い場所に設けた和室のことを言います。
↑ こういうものですね。(こちらのお家は床下収納と仕切り戸があるタイプです)
ここでは小上がりの和室を設ける魅力や上手な活用法について解説します。
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【 小上がりの和室の魅力 -メリット・デメリット- 】
小上がりの和室には一般的な和室にはないメリットやデメリットがあります。
具体的には次のようなメリットやデメリットが考えられます。
【メリット】
・段差部分に腰をかけてくつろぐことができる
和室の入り口部分に座布団などを置いてソファー代わりに使える点は、フラットな和室にはない魅力です。
・空間が立体的になる
フローリングのリビングの一角に小上がりの和室を設けると、部屋が立体的になります。
・リビングから和室へほこりやゴミが入りにくい
段差を設けることで、和室にほこりやゴミが入り込むのを防げます。
・床に寝転がっている雰囲気にならない
フローリングよりも一段高いところに畳面があるため、畳に寝転がっても床に寝転がっている感じを受けにくくなります。
【デメリット】
・バリアフリーにはならない
段差を利用している以上、家全体をバリアフリーにしたいという場合には向きません。
・掃除ロボットの掃除が一度では済まない
段差があるため、一度にリビングも和室もという掃除の仕方はできません。同時にしようと思ったら2台必要になります。
・乳幼児がいる場合には注意が必要
ハイハイや歩き始めの小さな子どもがいる場合には、段差にぶつかったり、落下の危険が有る為、常に目を離さないようにする必要があります。
・家具の配置が難しくなる
家具を置くスペースが限られてしまいます。
・フラットなときと比べるとスペースが少し狭く感じられる
同じ広さでも少し狭く感じられることが多いようです。
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【どんなときに役立つ?小上がりの和室の必要性】
小上がりの和室は、普段から使える和室になりやすい点が魅力です。
実は、家を建てる時に和室を設けたのに、普段はまったく使っていないという家庭が少なくありません。
客間として和室を用意している家が多く、そのような家では、押入れ以外は普段誰も使わないということが多いのです。
せっかく和室に多くのスペースを割いておきながら、普段の生活に使わないというのはとてももったいないことです。
その点、小上がりの和室にしておけば、リビングの中の一つのスペースとして使う機会が増えます。
疲れたときにちょっとゴロッと横になったり、座ったりできるようにしておくだけで、和室が普段使いのくつろぎ空間に変わります。
小上がりにきちんと段差をつけることで、リビングの一部分ではなく、独立したスペースとして認識しやすくなるのも小上がりの和室の魅力です。
独立性が保たれるため、お客様が来たときにはお客様用のスペースとしても使いやすくなります。
また、小上がりの和室は、自然な形で収納スペースを創り出すのにも役立ちます。
小上がりになっている部分を引き出す収納にしたり、畳を扉代わりにして床下収納にしたりすることができます。
幼児がいる場合、小上がりは危険だと思われがちですが、高さを工夫することで使いやすくなります。
小上がりの和室は段差が小さすぎるとかえってつまずきやすくなり危険です。
設置する場合は、目で見てはっきり段差があることが分かり、転んだときには手をつきやすい30~35cmくらいの高さが適当です。
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【和室はどっちがベスト?小上がりとフラットで人気なのは?】
最後に、小上がりの和室とフラットな和室とではどちらの人気が高いのか、アンケートを取ってみました。
【質問】
和室は小上がりとフラットならどちらがいいと思いますか?
【回答数】
小上がり:36
フラット:113
調査地域:全国
調査対象:20歳以上の男女
調査期間:2017年03月31日~2017年04月06日
有効回答数:150サンプル
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今回のアンケートでは、フラットな和室を選ぶ人が全体の4分の3を占めました。
・年と共に少しの段差でもつまずきやすくなってくるので、安全に出入りできる事を考えるとフラットの方が良いと思います。(40代/専業主婦・主夫/女性)
・バリアフリーで子どもや高齢者にも優しいことと、掃除や家具の移動などがしやすいという実用面から。(20代/会社員/女性)
・小上がりも魅力だが、フラットの方が危険が少ない。将来、子供や孫など小さい子が遊び回れる造りが良い。(30代/会社員/男性)
フラットな和室を選んだ人は、ほぼ皆さん同じコメント内容でした。自分が将来年をとること、子どもや孫が部屋で遊ぶことなどを考えると、フラットなほうが安全だと考える人が多いようです。一方、小上がりの和室を選んだ人のコメントは次の通りです。
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・他の部屋(たとえば居間)がフローリングですと、境界がフラットの場合けっこうホコリやゴミが入ってきます。
これは経験済みです。ですので、できれば少し小上がりを作ったほうがいいかとは思います。(50代/会社員/男性)
・高齢者が利用する場合、立ち上がりの際、膝に負担がかかりにくいと思う。(20代/専業主婦・主夫/女性)
・和室という空間が確立されているし、段差に座れる上に、収納スペースも確保できてメリットが多い。(20代/会社員/男性)
小上がりの和室を選んだ人のコメントを見ると、具体的なメリットを挙げている人が目立ちます。
特に、高齢者にはフラットな和室がいいという意見が多い中、段差があることで、立ち上がりやすくなるというコメントが目を引きました。
アンケートの結果、中途半端な段差ではなく、しっかりと段差を設けることで、小上がりの和室のメリットは大きくなるように感じられました。
【まとめ】
小上がりの和室は、今風のおしゃれな和室というイメージで見ている人が多いかもしれません。
しかし、見た目以外にもメリットはたくさんあるのが小上がりの和室です。
例えば、まとまった収納スペースを作りながら、リビングに立体感を出すことができます。
直に座ったり寝転んだりするスペースを作ることもできます。
和室を開かずの客間にしてしまうなら、普段から使える小上がりの和室を作ることを考えてみてはいかがでしょうか。
引用・参照ページ「フリーダム」